2008年4月7日月曜日
ハーモニカという楽器
1)ハーモニカは子供の時に誰でもいじる楽器なのに、楽器としての認知度が低い。しかも例えば管楽器にはトロンボーン、トランペット、コルネットなどと構造の違いをもとに異なる名前がつけられて別々に認識されているのに、ハーモニカはたいてい一括して『ハーモニカでしょ!』と認識されている。複音ハーモニカ、ブルースハープ、クロマチックハーモニカの3つをとりあげたって、その構造は全然違う。やれることも全く違う。もっとちゃんと認識してくれよー、とかもっと分かりやすい名前を付けてくれよーとか思ってしまう。
2)一般的な楽器は、大事に大事に長くつきあうものだろう。壊れたら、その部分を修理して、何年も何十年も時には何百年も使うものだろう。ハーモニカは違う。リードが折れたりしたら、ブルースハープなら丸ごと買い替え、クロマチックはリード交換の修理に出すことを繰り返し、やがては本体を替えることになる。カバープレートを使い続けることはできるけれど。リード交換に習熟した修理人と化したような人以外にとっては、多くのハーモニカの命ははかない気がする。でも、なんとなく、買ったハーモニカの魂が残っているような気がして、この新しいハーモニカは、この間ダメになったあのハーモニカの魂を引き継いでいるんだな、みたいに思うと上手になれるような気がするなあ。
ワレカラの知名度
ワレカラとの付き合いは20年以上になる。生活史やら繁殖やら分類やら、いろいろなことを調べてきた。昔は超マイナーな生き物だと言われ、カニやエビの研究者に蔑まれ(?)ていた。ところが、ところが、このところ『ワレカラ』でネット検索をすると、ヒット数がものすごく多いのに驚く。皆さん海の生物に触れる機会が増えたせいだろうか?それともマクロ派ダイバーが、接写しやすいデジカメをちいさな動物に向けるようになったせいだろうか?今日(4月25日)、某放送局のテレビ番組の制作担当者に、ワレカラについてあれこれ尋ねられた。海の中でボクシングしてるのはなぜか?何を食べる?などなど・・・
右の写真はトゲワレカラのメス。白くなった丸いお腹は、子供がもうすぐ生まれる前兆である。
ヨコエビたち
ヨコエビは、気がつけば、ふんだんに存在する。海岸はもちろん、深海には大きな種類がぐいぐい泳ぎ回っているし、陸上の落ち葉の下の湿った土の上でぴょんぴょん跳ね回っている仲間もいる。身近かにいても、それに気付かないことが多いだけだ。磯で海藻をいじっている時に、手に張り付いてうごめいている小さな丸っこいものがいたら、それはヨコエビである可能性が高い。わりに大きくても、すんでいる場所に似た色をしていると、これまた存在に気付かない。右の写真は赤い海藻に棲み込んでいたヨコエビである。これが緑の海藻の上にいたらさぞや目立つだろうに、海藻の隅っこが不自然な動きをするまで、私もその存在に気付かなかった。たいした忍者である。
絵本を作りたい
子供時代の読み聞かせの影響は大きい。少なくとも私にとってはそうだった。物語の運びや、ときに奇妙な言葉の連なりも気に入っていたが、何より絵に魅了されていた・・・ような気がする。そのためか、絵本は成人後も好きだった。ずいぶんと買い漁った。子供ができても貸したくないような愛着もあった(実際は、3人の子らに好きなように読ませているけれど)。30年以上子供に支持され、売れ続けているような絵本には、おとなの理解を超え、年齢の枠を超えた、ほとんど魔力のようなものが、確かに存在する。いつしかそんな絵本を、私も作ってみたくなった。一生かけての夢である。自分の関わる科学の分野でかこさとしさんのような絵本を作ってみたい、物語の世界で長新太さんのように子供たちを魅了してみたい。そんな思いは途切れることなく、でもきっかけもなく、時は過ぎて来た。でも、ついに、チャレンジの時が来た。ひょんなことから、もと生物学者でもある画家の友人と再会し、絵本の原稿を作ってみた。そして、投稿してみた。つい今週の始め4月22日のことである。いま、結果待ちである。大手出版社からのお返事や如何に?ドキドキの日々を過ごしている。
ブルースハープかクロマチックか?
1)何も楽器の演奏ができなかった私が、1995 年の世界ハーモニカフェスティバル横浜大会(正確ではない・・・何かそんな名前の大会)の時に見た演奏がきっかけで細々とハーモニカを吹き始めて、気がつけば既に干支がひとめぐりしてしまった。ブルースハープのレッスンをN先生から少し受けたことから始まって、ブルースハープに行き詰まるとS先生の手引きでクロマチックハーモニカを始め、クロマチックハーモニカに行き詰まって、またブルースハープに戻った。そんな2つのタイプの楽器の行き来で気付いたことがある。片方から片方に戻る時に、戻った楽器がずいぶん吹きやすいことに気付くのだ。どうも一方の練習が他方の上達を助けているような気がし始めた。始めのうちは、なんだかアナログである意味不自由なブルースハープに不自由を覚え、クロマチックではどこかそのデジタルっぽいところにときどき疲れて、はたして自分はどちらの楽器を続けていったら良いのか、迷いながらの行き来であった。しかし、最近それが吹っ切れた。
2)行き来することで助け合う楽器なら、両方続ければ良いではないか。それが結論である。自分は少し典型からずれてはいても日本人なので、他の事例との参照がないと自分の至った結論に自信の持てないところがある。それが、その結論が自信に変わったのに、若干のわけがある。最近久しぶりにハーモニカ関係のテキスト情報をネット書店で漁ってみたところ、どうも私のようにブルースハープから入って、クロマチックとの両刀使いを良しとして教本を書いておられる先生のいることに気付いたのである。ちょっとしたショック、眼から鱗であった。いままで両楽器の短所のみ考えていた気がする。両楽器の長所をそのときの気分に合わせて楽しみながら、両方を続けてゆこうと思った、そんな次第である。
2)行き来することで助け合う楽器なら、両方続ければ良いではないか。それが結論である。自分は少し典型からずれてはいても日本人なので、他の事例との参照がないと自分の至った結論に自信の持てないところがある。それが、その結論が自信に変わったのに、若干のわけがある。最近久しぶりにハーモニカ関係のテキスト情報をネット書店で漁ってみたところ、どうも私のようにブルースハープから入って、クロマチックとの両刀使いを良しとして教本を書いておられる先生のいることに気付いたのである。ちょっとしたショック、眼から鱗であった。いままで両楽器の短所のみ考えていた気がする。両楽器の長所をそのときの気分に合わせて楽しみながら、両方を続けてゆこうと思った、そんな次第である。
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